今回はコバセイから自転車で10分ほどの、ご近所のお客様のお話しをします。
お客様とのお取引は、遡ること12年前からになります。
お客様は、小惑星探査機が採取してきた物質が入った
カプセルの取り外しに困難されていました。
そこでお話しを頂いたのが、以前から単発のお取引をする間柄だったコバセイです。
12年前、2010年の小惑星探査機といえば、ご存知イトカワから帰還したはやぶさ。
お客様はJAXA(以降敬称略)でお馴染みの宇宙科学研究所様です。
コバセイでは、宇宙分野の仕事とはご縁がありませんでしたが、
はやぶさのカプセル取り外しにコバセイの技術は十分に役に立つはずです。
お話を頂いてからカプセルに合わせた治具と、
取り外し練習用のカプセルのダミーを設計し、JAXAに向かいました。
JAXAのクリーンルームにはカプセルを取り出すための汎用フライス盤が設置されており、
弊社の製造部長とオペレーターが作業に取り掛かりました。
▼作業の様子
作業時間から6時間、カプセル取り出しに成功し、JAXAへ引き渡すことができました。
その後カプセルは真空チャンバー内で開封され、検査に回されました。
現在カプセル内の粒子は70%は世界中の研究所に分配され、分析されているそうです。
30%は将来新しい分析方法が開発された場合の為に保管されています。
▼記念写真
それから4年後の2014年、はやぶさの後継機、
はやぶさ2が地球近傍小惑星「リュウグウ」へ発射されました。
2020年、搭載した回収カプセルは無事に日本に帰還し、
はやぶさ2本体は地球を離れ、別の小惑星へ向かう拡張ミッションに移行しました。
カプセルはJAXA相模原キャンパスへ運ばれ、
「竜宮の玉手箱」と名付けられたことが到着後の会見で発表されました。
ここでコバセイがまた登場します。今回のはやぶさ2プロジェクトでは、
「竜宮の玉手箱」の中の砂粒を検査する、精密検査装置の設計製作を担当しました。
どのような装置かは詳細にはお話しできませんが、
検査装置ははやぶさ2プロジェクトに貢献したとして、感謝状を頂きました。
▼検査装置が使われている様子
▼設計担当と感謝状
相模原で宇宙の研究をされている宇宙科学研究所様を今後も陰ながら応援し、
自らも空へ、世界へと活躍の場を広めるべく邁進してまいります。