コバセイ40年の歩み

創業40周年 次の10年で目指すゴール

『お互いが自律し、相互に依存しあい、社会に役立つ会社』を目指して

創業期1980年~1992年

当社は1980年に先代である小林一正が相模原市内で社内外注として創業し、翌年1981年に有限会社小林製作所としてスタートしました。1983年社名をカタカナのコバヤシ精密工業に改名。はじめは製品になる前の下加工や、単品加工中心で、『頼れる企業のパートナー』をスローガンとして掲げ、単品、単納期の製品を積極的に受注し業績を伸ばしてきました。
当時はバブル経済真っただ中で、公衆電話や鉄鋼、エネルギー採掘が活況で、それも追い風となり、従業員も20名を超え、創業10年を待たずして1989年、自社ビルが完成しました。先代は従業員が誇りをもって働けるようにと『会社の外観』にもこだわり、鉄骨ALC構造、全館空調管理を導入しました。夏は窓を全開で作業する会社がまだ多かった中小企業にあって先進的な取り組みでした。
1992年には株式会社に組織変更し、現在の株式会社コバヤシ精密工業となります。

拡大期1993年~2007年

バブル崩壊を経験し、一時的な売り上げの落ち込みはあったものの、IT景気に乗り、半導体を中心とした製造装置、検査装置等の部品製造へとシフトしてゆきます。ここでも短納期が売りとなり、『2週間以内の仕事はあるが、2週間先の仕事はない』状況が続き、1998年隣地に第二工場、2003年賃貸で第三工場、2005年に第4工場を建設します。
2代目である小林昌純が入社したのも2003年で、好景気に沸いていたことも記憶に新しく、
第4工場建設を機に、さらなる応需能力拡大のためには、工場の統合が必須となり、次なる目標(新工場建設)へと進んでゆきます。

転換期2008年~2014年

世の中の流れが変わる!

2008年9月15日リーマンブラザースの破綻を機にリーマンショックが世界を襲う。
当社は2007年に神奈川県相模原市にできる工業団地にエントリーし、SIA神奈川工業団地は通常4年ほどかかる工業団地建設を2年というスピードを以て工事を完成しました。
しかしながら、2009年11月に新工場は完成したが、売り上げは半減、旧工場は不景気で売れず、残債を抱えたまま新工場での操業が始まるも、1年間通して開店休業状態。毎週金曜日は雇用調整助成金を申請し、毎週のように教育活動を実施していました。
半導体関連の試作、開発を事業主体にしていたわが社はその後も数年売り上げが戻らず、苦しいかじ取りを迫られます。この時、政府の成長戦略の柱であった、『航空宇宙・医療・ロボット・介護福祉』に焦点を当て、生き残りをかけた営業活動を開始してゆきました。

このままでは会社がつぶれるかもしれない!

そうした危機感を社員のだれもが抱える2012年、2代目代表取締役に小林昌純が就任し、再起を誓います。しかし現実は甘くなく、試作・開発を生業として成長してきた当社は、リーマンショックを機に我々を取り巻く環境が大きく変わってしまったことを実感することになります。

いいものを作れば高く売れる!短納期こそ付加価値!と信じて突き進んできた当社でしたが、『安いものしか売れない』時代へと世界が急激にシフトしてしまいました。
そこに輪をかけて高付加価値企業であった主力顧客が日本からの撤退表明・・・
愕然としました。

今までのままじゃ生き残れない。
すべてを変えなければ・・・

刻一刻と『倒産』という言葉が頭にちらつく中、必死に営業を行いました。単品試作から多品種少量の高精度部品へとシフト。また製品保証にも力を入れ検査体制を充実させていきました。その甲斐もあり2012年にはロボット産業に、2014年12月には航空機の品質認証であるJISQ9100を取得し、2015年から念願であった航空機産業に参入を果たします。
首の皮一枚でつながった瞬間でした。
今思い返しても2008年から2014年までの7年間は生きた心地がしない時期として心に刻まれています。社内のトラブルも多く、些細なことでの内輪もめが多かったのもこの時期でした。

再成長期2015年~

航空機産業に参入を果たして、『ヒト・モノ・カネ』の流れが確実に変わってきました。
それに合わせて、会社の在り方も変えていきました。より従業員に寄り添った経営。
有給休暇の取得推進、労働条件の見直し、従業員が会社でストレスをため込まないよう、
そのためにできること、ルール作りをしっかりと行ってきました。おかげで毎年優秀な社員が入社してきてくれています。
社員を守る一方で、同時に会社の業績も両立しなくてはシステムが崩壊します。
優しいだけでなく、厳しさも一緒に乗り越えてこそ、喜びにつながると信じています。
そこで、次の10年に必要なものとして、従業員一人一人が、この事業を我がものとしてとらえ、自分を厳しく律し向き合ってゆく会社形態が必要だと感じています。
創業40周年を迎えるにあたり、次世代を見据え今、日本の中小企業に必要なこと

『お互いが自律し、相互に依存しあい、社会に役立つ会社』

を目指して、全従業員一丸となって、更なる高みを目指して精進してまいります。

2020年4月吉日
株式会社代表取締役
小林 昌純